人事評価コメントの書き方と注意点を解説!職種別の上司コメントの例文もご紹介!
2024/09/30
人事評価を実施する際には、必ずコメントが必要とされます。
このコメントは非常に重要な役割を持っており、従業員のモチベーションやパフォーマンスに大きく関わるからこそ、人事評価のコメントで悩む方は多いでしょう。
本記事では、人事評価でコメントを書く際のポイントや例文を、上司と部下、そして職種別にご紹介します。
人事評価をより良いものにしたい方はぜひ参考にしてください。
人事評価とは
人事評価は、従業員の能力やパフォーマンス、会社への貢献度や目標の進捗率などを総合的に評価する仕組みです。
人事評価をもとに、従業員それぞれの給与・賞与・昇進などが決定されます。
従来のような「年功序列制度」とは違い、各従業員の能力値・貢献度を可視化して処遇を決定するため、公平に評価することが可能になります。
業務スキル以外にも、日頃の仕事への取り組み方を認識し、評価することで、従業員にとっての満足感と仕事に対するやる気を引き立てます。
社員のモチベーションや生産性の向上に繋がり、企業と従業員の信頼関係が生まれることで離職の回避にも繋がるとされています。
人事評価制度を取り入れることによって、透明性のある公正な評価基準や、昇進・昇給の可能性を明示することができるため、従業員も安心して業務に集中することができるようになります。
人事評価コメントについて
人事評価コメントは、伝え方一つで評価結果に対する社員の理解度や成長、モチベーションが大きく変わるため、人事評価において非常に重要な要素の一つです。
ここでは、人事評価の際のコメントについて解説します。
人事評価コメントとは
人事評価は、基本的に評価シートを用いて行われますが、その際に記載される「人事評価コメント」は非常に大きな役割を持ちます。
給与・賞与・昇進を左右する評価シートはとても重要なもので、ここに納得感を感じない場合は従業員のモチベーション低下や離職に繋がりかねません。
上司は、従業員の行動や姿勢を評価した結果に対し、根拠や改善点などを記載し、部下(被評価者)は、自己評価を記入します。
評価シートは、評価者である上司だけでなく部下も(自己評価コメントを)書くケースがあり、双方共に高い客観性が求められますが、特に上司からの評価は、部下の仕事へのモチベーションを左右するため、より注意が必要です。
人事評価コメントの重要性
人事評価を行う際は、評価結果を面談で示すだけではなく、人事評価コメント、フィードバックを添える必要があります。この人事評価コメントによって、評価結果に対して納得感を持てるか否かが決定します。
人事評価コメントによって、結果に至った根拠や、今後に向けての改善点などが明確に示されるため、評価に対する納得度も高まるでしょう。上司から部下への適切な人事評価コメントが記入されれば、従業員のモチベーションが上がり、生産性の向上も期待できるでしょう。
反対に、質の悪いコメントを示してしまった場合、仕事のモチベーション・パフォーマンスが下がり、離職に繋がる可能性もあります。
人事評価コメントは大きな影響力を持つため、書く際には細心の注意が必要です。
人事評価においての上司(評価者)のコメントの書き方と注意点
上述のように、人事評価のコメントを書く際は、適切に行う必要があります。
ここからは、人事評価において、意識するべきポイントをまとめます。
- 人格を否定しない
- 他者と比較しない
- 具体例を挙げる
- 良い点と悪い点を記載する
人格を否定しない
人事評価コメントを記入する際、大前提として、被評価者の性格や人柄、身体的特徴などを否定するようなコメントは絶対に避けましょう。
人事評価で伝える内容は、あくまで企業から見た現状解説と改善点であり、個人の考えや行動を否定するものであってはなりません。
「頭が悪い」「要領が良くない」「頑張りが足りない」など人格否定するようなものでは、信頼関係にも影響が出てしまいます。
最悪の場合、名誉毀損で訴訟を起こされる可能性まであるでしょう。
人事評価コメントを行う際は、事実にだけフォーカスすることが大切です。
他者と比較しない
人事評価においては、優秀な同期や先輩社員と比較するような内容も避けるべきです。
例えばお手本にしたり、アドバイスを聞くように促したりする内容であれば問題ありませんが、他者と比較して貶めるコメントはNGです。
視野を広く持ち、公平性を保つように注意しましょう。
具体例を挙げる
コメントする際、具体例を挙げて記入することが重要です。
コメントが抽象的だと、評価内容が理解しづらいため、納得度にも欠けてしまいます。
褒める場合は何に対してどう評価しているのか、指摘をする場合はどんな行動を自ら行うべきなのかを明確にしましょう。
部下が次のステージに進み、キャリアアップを目指せるよう、行動の指針となる具体的な内容を示すコメントにしましょう。
良い点と悪い点を記載する
人事評価コメントでは、良い点と悪い点どちらも記載するよう心がけましょう。
単に褒めるだけ、マイナス面を書くだけでは、自身の長所や短所双方を把握することができません。
褒めるだけでは現状維持で良いとみなしてしまい、マイナス面を記入するだけでは自信をなくしモチベーションが低下してしまう可能性があります。
改善を促す場合は、漠然とした表現ではなくできるだけ理論的、且つポジティブな言葉を含みつつ表現しましょう。
職種別の人事評価コメント例文
それでは、実際にコメント例を見ていきましょう。
「事務職」「営業職」「技術職」「管理職」に分けて、評価コメントの例文やどのような点を評価すればよいのかを詳しく解説します。
一定の期間を設定し、期間内の目標達成率などを目安にするとわかりやすく記入できるでしょう。
各職種の業務内容によってコメント例文に変化を持たせるのがおすすめです。
事務職
事務職は、主にルーティンワークをこなす職種のため、営業等と比べると数値で成果を評価しづらい職種です。
業務改善率を数値化するなど、達成基準をできるだけ定量化し、客観的な評価を心がけましょう。
また具体性や客観性を意識しつつ、業務改善したものや仕事の精度などの定性面についても評価していきましょう。
事務職への上司(評価者)のコメント例文
- プリンターのカラーインクの減少スピード増加による印刷回数の制限化を提案するなど、部署内への提案の姿勢が頻繁にみられ、積極的な姿勢が見受けられた。電子データの扱いに慣れていない点が見受けられるため、ミスなく迅速にデジタルデータの事務処理ができるようさらなる技術力向上を目指してほしい。
- 部署内の課題でもあった電子データへの移行をスムーズに行うことができ、リーダーシップを発揮してくれた点が評価に値する。今後は入力ミスを減らし、データの扱いに慣れていない人へのフォローも積極的に行ってもらいたい。
営業職
営業職は、他の職種よりも結果が数字で表れやすく、客観的に評価がしやすいのが特徴です。
目標の達成度など定量面に関するコメントと、それに関するアドバイスを含むようにしましょう。
営業職への上司(評価者)のコメント例文
- 今年度は、目標達成率が120%であったという点を高く評価できる。顧客分析を丁寧に行っていたことで、その前向きな姿勢がチームに良い影響を与えている。今後はリーダーシップを発揮し、部下の教育面にも力を入れてもらいたい。
- 前回の人事評価時よりも営業成績が20%アップしており、大手顧客と契約できた点が評価が高い。ただし自身の考え方ややり方に固執する傾向も見受けられるため、広い視野を持ち周囲との連携を意識しながら業務に臨んでもらいたい。
技術職
技術職には、コスト削減や現状システムの改善、質の向上など、いかに技術貢献できたかを数字で表すようにしましょう。
業績として判断しにくい部分は、あらかじめ評価基準を設け、貢献度で判断します。
技術職への上司(評価者)のコメント例文
- 設計方法の見直しによって、結果的に10パーセントのコストダウンが実現できた点が大きかった。ただし、進捗が遅れた要因についてはチーム内で洗い出しを行い、今後の改善に繋げてもらいたい。
- 今年度は新たに担当プロジェクトを受け持ってもらったが、現場で求められていたことに臨機応変に即座に対応できた点が評価に値する。バグ検出率の15%向上にも貢献できた点は素晴らしい。今後は後輩の指導にも積極的に当たってほしい。
管理職
管理職についている社員の評価は、主にリーダーシップやマネジメント能力について評価します。
管理職者個人の成績以上に、担当している部署やチームの成績に着目するようにしましょう。
管理職への上司(評価者)のコメント例文
- 今年度の本人の営業成績は就任前より低下したが、部下の多くは営業成績が上昇しており、部署の営業成績は20%向上した。このことから、十分なマネジメント能力を備えているといえる。今後は成績が落ちた部下の教育に積極的に取り組んでほしい。
- 要求されている成績を達成しつつ、部下に無理のない仕事の配分をする事に長けている。社内課題となっている新人の離職率を下げるためにも、今後は教育システムの整備など、新人のサポート施策にも努めてほしい。
評価基準別の人事評価コメント例文
人事評価の評価基準は大きく分けて「能力評価」「成果(業績)評価」「情意評価」の3つがあり、これらを元に総合的に評価します。
人事評価を行う際は、各評価項目に則した評価と的確なコメントが求められます。
能力評価
能力評価とは、業務やプロジェクトを遂行する上で求められるスキルや知識といった従業員の能力や、その能力自体がどれくらい発揮されたかを評価する方法です。
被評価者の「企画力」「実行力」「改善力」の能力を評価します。
能力評価は数値化することが難しいため、固定した評価基準を用いるのではなく、事前に目標期間と基準を具体化し共有しておくことが重要です。
能力評価のコメント例文
- 評価期間中、業務改善提案を5回行い、これら全てが実施された結果、社内の残業時間が20%削減され、会社に貢献した。
- 本年度の中間地点では、目標達成率が60%と伸び悩んでいたものの、中盤から盛り返し、自らの強い精神力で予算達成を実現した点が高く評価できる。
成果評価(業績評価)
成果評価とは、一定期間における会社への貢献度を評価する方法です。
部門や社員の目標の達成度を評価するために、数値化された明確な判断基準を設ける必要があります。
成果評価で重要になるポイントは、評価の根拠となる数字です。
数字を明確に基準とし、コメントしましょう。
成果評価(業績評価)のコメント例文
- 今期の目標に対して、150%を達成したことは目標を大きく上回る実績であるため、評価に値する。
- 新規顧客獲得率が20%アップし、部署の成績向上に大きく貢献した。今後は、チーム内のお手本となり、名実共に係長に相応しい行動を取れるよう期待する。
情意評価
情意評価も、能力評価同様に数値化することが難しく、評価者の主観に左右されやすい項目です。
被評価者と積極的にコミュニケーションを図り、日頃の仕事の取り組み方をみておく必要があります。
チームワークやコミュニケーション能力、積極性、リーダーシップなど、仕事の成果に加えて、職場での人としての資質や行動を考慮するとよいでしょう。
同僚や取引先メンバーからの360度評価なども取り入れ、公平な視点を心がけることです。
情意評価のコメント例文
- 勤怠に関しては問題なく、業務に対して積極的に取り組む姿勢がみられる。
- 業務の進め方について、部署内で相談したり、会議で積極的に発言したりと、前向きなコミュニケーション意欲がみられる。
人事評価を効率的に進めるなら「ニュートン」
人事評価のコメントは、従業員の成長やモチベーションアップにつながるように書くことが重要です。
人事評価コメントの根拠となる社員のスキルや経歴、評価実績や目標に対する進捗などのデータは【システム化】することで、人材育成の戦略人事に効率よく展開できるでしょう。
納得度の高い人事評価制度により組織の成長に繋がる人材育成を目指したいなら、タレントマネジメントや人材育成に特化した特許取得済のツール「ニュートン」がおすすめです。
工数のかかる「人事評価」業務を「人事評価ツールNewton(ニュートン)」でシンプルに効率化してみてはいかがでしょうか。
この記事を書いたライター
Newton編集部
飲食店の人事に役立つ情報を発信していきます。人材から人材へ、人が育つ人事評価システムNewtonとは、飲食店に特化したタレントマネジメント+人事評価システムです。
管理者の人事管理のパフォーマンスを上げるだけでなく、スタッフのモチベーションアップや、離職率の低下、企業にとっての人材を守るシステムです。詳しくはこちら